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地元の小学校が廃校になることが決まり、廃校を活用した地域活性の事例を探していた筆者。全国での活用事例の中でも、学校全体を素敵に活用している事例と感じた一つが、この『ハレとケ珈琲』でした。
古き良き日本の山と森に囲まれた、まさに秘境のような場所の立地と、廃校のレトロさを強みとして活かしているのが『ハレとケ珈琲』です。
今回はこの記事を通じて、『ハレとケ珈琲』の魅力や事例を通じて、地域活性化や廃校を活用した事例に取り組みたい方の参考になれば、僕としては幸いです。
※訪れたのは2022年4月になります
ハレとケ珈琲とは?
『ハレとケ珈琲』は徳島県三好市にある、廃校となった旧出合(であい)小学校をリノベーションして運営されているカフェ。2014年から運営されており、教室を改装したゲストハウス「ハレとケデザインホステル」も併設されています。
※ちなみにハレとケとは、民俗学者の柳田國男さんが提唱する、『特別な・晴れ(ハレ)と、日常(ケ)』を組み合わせた世界観を表す名称だそうです。
ハレとケ珈琲への行き方
僕が住んでいる首都圏から行く前提での説明になります。
ハレとケ珈琲に首都圏から向かう場合は、飛行機が最短ルート。そして空港から現地までは車が必須です。
三好市は四国の中央に位置するため、徳島空港、高松空港のどちらからのルートでも車で1時間30分ほどなので、どちらを利用してもそこまで変わりません。
陸路の場合は新幹線で岡山まで行き、在来線に乗り換えて四国に向かうルートになります。
※なお今回僕は、前に書いた宮崎県の廃校活用した施設『MUKASA』経由で向かったため、陸路で移動。宮崎からバスと新幹線で香川(高松)を経由して向かったため、合計6時間強の移動になりました。
ちなみに高松市内からは、「タイムズカーシェア」で向かいました。レンタカーを借りる手間無し、15分単位で借りれるので、旅行でも普段使いでも本当に便利です。
ハレとケ珈琲の施設紹介
高松市内から車を走らせること、約2時間ほどで到着。
ちなみに三好市は全体が山と川に囲まれた自然があふれる街なので、山道や細い道も多く、ある程度運転に慣れている方が良いかと思います。また、車のナビでは番地まで出ない可能性が高く、付近の道は細くてわかりづらいので、GoogleMapでのナビゲーションがおすすめです。
施設と外観
校舎は吹抜け?や中二階のようなところもあり、構造的にちょっとユニークな作りです。
また、壁面やいたるところにデザインが描かれていて、入り口から世界観が感じられます。
入り口の階段を上がっていくと、自然の豊かさを感じられる広場と、歴史を感じさせる校舎がお出迎え。
校舎の中庭から広がる景色は緑一色。カフェで注文したメニューは屋外でも食べられるので、グランピングに近い雰囲気が味わえます。
カフェの中の内装は、その校舎の”味”とアンティークな家具内装が融合しており、自然の中で楽しむ、贅沢な時間が感じられるような世界観が作られています。
どこか懐かしさを感じる校舎と自然豊かな環境の中で、窯焼きピザとコーヒーを注文。量も程よく、コーヒーの香りも感じながら美味しくいただきました。
また2Fの教室は宿泊が可能なゲストハウス(ホステル)になっており、通路などもオブジェやアイテムが置かれています。廃校の”寂しさ”のようなものは感じられないようになっている。細かいところまで素敵。
施設の運営
このカフェとゲストハウスを運営しているのは、「株式会社ハレとケデザイン舎」。2014年に東京から移住された代表の女性の方を中心に、三好市の3つの廃校となった小学校を活用した事業を行っているとのこと。移住先で魅力に感じた地域の強みにを活かして、事業として行動に移せる力が素晴らしいですね。
ハレとケ珈琲から得られる学び・ヒント
『ハレとケ珈琲』の事例を。ほかの地域で活かす場合の学び・ヒントになりそうなポイントを考えてみました。
地域の魅力に気づく・磨く
徳島県三好市は山と川に囲まれ人が住める地域は全体の約13%と、日常生活を送るには少々不便な場所かもしれません。しかし『ハレとケ珈琲』はその豊かな自然の魅力を活かして、地域にあるアセット(山や森)の魅力を活かしています。また『ハレとケ珈琲』のように、その地域の魅力を言語化するには地域外に住んでいる人の意見や視点を取り入れると良いかもしれません。
デザインの力を取り入れる
『ハレとケデザイン舎』の公式サイトでは、以下の紹介がされています。
ハレとケデザイン舎とは
社名の由来は、民俗学者である柳田國男氏の提唱する「ハレとケ」。それは、特別な・晴れを意味する「ハレ」と日常の「ケ」の話。とても幻想的な舞台に出会い、ここで活動することを決めたときに浮かんだこの言葉はこれからのデザイン活動のキーとして軸に置き、地域におけるデザインスキルの利用価値を、デザイン思考を取り入れた手法で行います。
デザイン思考の自社の例としては、2021年に3名の社員が独立、社名を継承(暖簾分け)し、商品を逆輸入。働き手を中心にモチベーションやポテンシャルの低下、商品の抱え込みを排除した連携スタイルを採用しました。(出典:ハレとケデザイン舎公式サイト:https://home.tsuku2.jp/aboutUs.php?scd=0000215180)
『デザイン思考』とは、デザイナーがデザインを行うときのプロセスを課題解決に取り入れる思考法です。ものすごく簡単に表現すると、「お客さんの視点で本質的な課題やニーズを発見しアプローチしていく方法」になりますが、ハレとケデザイン舎ではこのデザイン思考を地域での事業・課題解決に用いています。
宮崎県の廃校活用事例である『MUSAKA』の事例でもご紹介しましたが、デザインを重視する企業は、そうでない企業と比較して10年で約2倍の株価が成長しているという欧米の調査もあります。このように地域活性の事例でデザインの視点を取り入れることができると、「地域」と「お客さん」をつなぐ可能性や選択肢が広がるのではないかと考えます。
まとめると、
- 地域本来で持っている魅力・強みを引き出す
- デザイン思考とデザインを活用して世界観をつくり、魅力ある場所を作る
が、他の地域にも活かせる学び・ヒントかと思います。
おまけ
◎今回は、岡山からアンパンマン仕様の特急「南風号」にのって四国へ。長い移動の最後に元気100倍。
◎香川では丸亀に一泊しました。「丸亀製麺」のイメージが強かったので駅前にめっちゃうどん屋があるかと思ったもののほとんど見当たず食べられず。ホテルでうどんみたいに白い顔で伸びてました。