【ビジョンとデザイン】宮崎の廃校カフェ『MUKASA』に行ってきた

 この記事では宮崎県宮崎市にある廃校を活用したカフェ『MUKASA』を紹介します。『MUKASA』は、場所の移転では以降になった旧穆佐(むかさ)小学校をリノベーションし、カフェやコワーキングスペースが併設された比較的新しい施設になります。

 

地元の小学校が廃校になることが決まり、廃校を活用した地域活性の事例を探していた筆者。全国での活用事例の中でも、学校全体をとても素敵に活用しているとと思ったのが、この『MUKSA』でした。

 

素敵だなと思った理由は、筆者は普段首都圏のIT企業でデザインやクリエイティブに関わる仕事をしている中で、「デザインやインターネットの力で、地域を活性化する」という可能性があることを信じており、その実践をしているのがこの『MUKASA』だと思ったからです。

 

 
たかとし
地域の魅力×デザインの掛け合わせは、魅力的な強みをもたらすと信じています

 

今回はこの記事を通じて、『MUKASA』の魅力や事例を通じて、地域活性化や廃校を活用した事例に取り組みたい方の参考になれば、僕としては幸いです。

 

 

MUKASAとは?

 

出典:MUKASA公式サイト https://ippeicompany.com/mukasa/

 

『MUKASA』は宮崎県宮崎市にある、廃校となった旧穆佐(むかさ)小学校をリノベーションし、運営されているカフェ。ちなみにこの小学校はすぐ近くに移転されており、施設の老朽化と台風被害による移転だったとのことで、人口減少に伴う廃校ではないとのこと。

2017年から運営スタートして、廃校をコワーキングスペースとして運用。その後、2021年の秋から現在のカフェ&ベーカリーの形態にシフトチェンジされています。

 

MUSAKAへの行き方

 

 

僕が住んでいる首都圏から行く前提での説明になります。

まず宮崎までは2時間弱で着く飛行機が便利。

(陸路だと新幹線経由でも約10時間弱かかります)

ちなみに宮崎空港からはJRの駅が直結しているので宮崎市街までアクセスしやすくなっています。

 

僕は今回、宮崎駅→宮崎市街からカーシェアで向かうことにしました。

 

ちなみに『MUKASA』までは、宮崎空港と宮崎市街からのどちらから車で行っても約30分ほど。宮崎市内からバスでも行けるようですが、本数がかなり少ないため、やはり車でのアクセスがベストかと思います。

 

 
たかとし
移動には空港でレンタカーを借りるか、僕が「魔法の移動手段」と勝手に呼んでいるタイムズカーシェアが非常に便利です

 

 

MUKASAの施設紹介

 

 

外観と施設

旧穆佐小学校の建物自体は比較的”小ぶりな学校”という印象。しかし廃校活用という視点で見ると、『MUKASA』の活用方法であれば最適な広さとも感じます。

 

僕が訪れたのは2022年の春先の日曜日で、ベーカリーとカフェの業態をスタートして半年ほど経ったタイミングかと思いますが、オープン(11時前)からすでに開店待ちのお客さんが並んでおり、開店直前には約20人くらいの行列となっていました。

 

校舎の隣には校庭?だったと思われる芝生の広場も。

 

エントランスには半屋外のオープンカフェのスペースも。
エントランスとカフェの間には、教室を活用した調理室が見える状態になっていて、透明性を感じます。

 

商品はテイクアウトもイートインも両方可能。購入後に温めることもできる
たくさんの種類のベーカリーがあってとても迷います笑
カフェスペースは大きくリノベーションされており、小学校の雰囲気は感じながらもおしゃれでくつろげるスペースに
ゆったり。

 

カフェ全体の雰囲気。おしゃれなイメージの奥で、黒板が良い味を出してます。

 

居心地が非常に良かったので、結局コーヒーを何杯かおかわりしながら、3時間ほど滞在していました。

 

廃校の多彩な活用

 

出典:MUKASA公式サイト https://ippeicompany.com/mukasa/

 

『MUKASA』ではベーカリーとカフェに加えて、コワーキングスペースや会議、イベントスペースとしても利用が可能。また2Fには、この『MUKASA』を運営する株式会社一平の本社が入っており、フル活用されているのも特徴です。

 

2Fには『MUKASA』を運営する株式会社一平の本社も入っている

 

ビジョンと、デザインの力

 

『MUSAKA』を運営しているのは『株式会社一平』という会社。

 

出典:株式会社一平 公式サイト https://ippeicompany.com/

 

「世界があこがれる、九州をつくる」というビジョンを掲げて、九州の”おいしさ”の魅力を世界に届けていくという理念がとても素晴らしく、実際に『MUKASA』のパンはすべて九州産の素材でできているそうです。

 

個人的に一平さんの素晴らしい!と思うポイントは、地元の食材や魅力をブランド化する過程で、デザインの力を取り入れている点。

ブランドのロゴやパッケージのデザインのリブランディングの事例はよくある手法ですが、一平さんの場合は、例えば展開ブランドの一つである九パンでは、パン(商品)自体にもブランドのマークを入れて、世界観を構築しています。

 

出典:九パン公式サイト
http://kyu-pan.jp/

 

会社のビジョン、ブランド、商品、店舗の内装に至るまで、あらゆる領域でデザインの力を活用している点は、ぜひ自分も地域活性のアクションを起こす際の参考にしていきたいと思います。

 

MUKASAから得られる学び・ヒント

『MUKASA』の例を、その他の地域の地元で活かす場合に、学びになる点を考えてみました。

明確なビジョン

『MUKASA』を運営する一平は、『世界にあこがれる、九州をつくる』という明確なビジョンを掲げています。このビジョンには、『ターゲットは(日本全国を超えて)世界である』ことと、『九州の魅力をブランド化して届ける』という2点が、わかり易い言葉で実現したい世界観として定義されています。

企業のビジョンでは『信頼』『お客様第一』『幸福を届ける』などの一般的な言葉が使われることも多い中で、地域において自分たちがありたい状態・使命・世界観をより具体的にして解像度を上げていくことは、新しいことや事業に取り組んでいく上で一緒に働くメンバーが増えても、方向性がぶれない拠り所になりますね。

 

魅力を磨く・届ける

『MUKASA』はご紹介したとおり、会社のビジョンから提供するサービスまで、あらゆるタッチポイントでデザインを活用し、魅力をブランド化して届けることに力をいれています。

デザインは一見、投資対効果が見えづらく、商品やサービスづくりにおいてないがしろにされやすい領域ではありますが、欧米の調査ではデザインを重視する企業の価値(株価)は、そうでない企業と比較して2倍という結果も報告されています。こういったデザインのパッケージなどの”点”ではなく、会社の経営の根幹からデザインを取り入れる手法(デザイン経営)の視点を取り入れることで、より地域の魅力が引き出されていく可能性は十分にあると個人的には感じています。

 

 
たかとし
Appleのようなデザインを重視する企業の考え方を地域に取りいている事例を探してみたいと思います!
 
 
最後にこの記事が、あなたの地域や地元の地域活性のヒントやお役に立てたら幸いです。
 
それでは!